ミケーネ美術について 4
象牙の丸彫りと鏡の柄や小箱の外側にある浮彫りです。
丸彫りのなかでも岩の上に横座りする女性像(高さ8センチ、ミケネ出土)は頭部を失っているけれども、クレタ風の服装をつけ、豊かで柔軟な身体とポーズはクレタの直系であるか、あるいは輸入品かもしれません。
肩組みしたような2人の女性は女神かもしれないし、子供が膝につかまっている群像です。
2人の服装はクレタ風で、頸飾りをつけ腰は細いです。
背後では一人の肩にはおった編物の大きなショールが、もう一人の腰にまで拡がってよくまとまった群像になります。
技巧は精確ですが身体にも態度にも硬さがあります。
それにもかかわらず3体の立体的な組合せと安定とはミケネ的。
なお象牙彫刻には猪の牙の兜をつけた武人の頭部だけを写した小品があり表現もテーマもいかにもミケネらしいものでしょう。
鏡はクレタでは稀でしたが、ミケネ時代のものはかなり発見されます。
青銅の鏡に象牙の柄をつけてそれに彫刻をほどこします。
柄の鏡を挾む部分には向いあう婦人のような相対的なテーマがよくあいますね。
その他にもロゼッタや怪獣と戦う人なども表わされますが、人間が装飾のために不自然なポーズに曲げられているのも、ミケネ的といえるでしょう。