日本の農業の未来 2
南北問題に象徴されるように、世界のなかにはさまざまに発展段階の異なる国が混在しており、これを形式的な市場原理で律しようとしても、けっして平等にはならないし、相互利益も実現されません。
それはガットの最恵国待遇原則が実質的不平等をもたらすものとして作用し、ついに一般的特恵関税によって修正されざるをえなかったところからも明らかです。
第二は、比較生産費モデルは一見動態論のようにみえながらも、その実、静態論にすぎないという点です。
それは国際貿易の一断面を静態的に切りとっただけであり、その動態的展開までも説明しているわけではありません。
世界各国の経済発展は、その基軸産業を
農業一→軽工業一一→重化学工業一→知識集約型産業一→情報・サービス産業
という順序で、たえずダイナミックに変化させながら行なわれてきました。
ところが、比較生産費モデルにはそうした動態的変化はふくまれてはいません。
これによると、農業国はますます農業に、工業国はますます工業に特化するという図柄にならざるをえません。
そうした一方的な特化では、世界経済の変化をとらえきれるものではありません。